リピート商品である化粧品は、新規顧客を呼びこむため広告やサンプル品の提供などに投資し、リピート顧客による売上で利益を確保するビジネスモデルのため、続けて商品を使ってもらえるかにより、事業の収益性が決まります。ポイントは下記の3つです。
化粧品通販のリピート率
1. リピート率とは?その計算方法は?
2. 広告、施策ごとにリピート率を必ずチェック。
3. リピート率を高めるには。
1. リピート率とは?その計算方法は?
リピート率とは、商品を1回以上購入したことがある顧客が再び購入する割合のことです。
たとえば、広告を見てお試し品を購入した新規顧客が多い一方で、2回目以降に購入した顧客が少ない場合はリピート率が低くなります。そうすると、新規顧客を呼び込むための広告費などの多額の投資をリピート顧客の売上で回収しにくく、利益率が上がりません。一方、2回目以降の購入が多いとリピート率が上がり、新規顧客への投資を回収しやすくなるため、利益率が高くなります。
●リピート率の計算方法
商品を1回以上購入した新規顧客が1000人で、そのうち2回目を購入しているのが300人の場合のリピート率は、30%です。
計算式:
300人÷1000人=30%
2. 広告、施策ごとにリピート率を必ずチェック。
通販会社では、広告を出すごとに、どのくらいの広告費用をかけて何人が購入したかという広告の費用対効果を調べていますが、同時にチェックしたいのが広告ごとのリピート率です。新規顧客数が少なくてもリピート率が高い広告は効果的であるためです。
お試し購入品やサンプルの提供などの施策(キャンペーン)でもリピート率を調べて、リピート率が低い施策ではリピーターが増えるよう地道に工夫することが大切です。
3. リピート率を高めるには。
お客さまが「また買いたい!」と思うのが商品をリピートする理由です。リピート率を高める3つの工夫を紹介します。
(1)まずは買った商品を使って実感してもらう。
化粧品の初回購入で離脱につながりやすいのは、「気になっていた商品を買ったけど、使ってない」「使ってみたけど実感が得られない」ことです。筆者がお客さま相談室で電話対応をしていたときも、「しばらく前に買った商品が、収納の奥から見つかったので使ってみようかと思う」というお問い合わせを受けていました。そのため、メールやDMなどで使用方法やQ&A、先輩顧客の体験談などを案内し、「まずは1回使ってみようか」という気持ちを促すことが大切です。
特にスキンケア化粧品では、「使っていると肌の調子がいい」「お悩みが気にならなくなった」など、美容の実感が得られることが次回購入につながります。そのため、効果を実感しやすい使用方法や、他の化粧品との組み合わせた使い方、使うことでの美容上のメリットを掲載したパンフレットを商品に同梱するのも効果的です。
(2)顧客の気持ちに寄り添ったフォローをする。
初めて使う化粧品は安心して使いたいもの。商品同梱のリーフレットは、新規顧客から問い合わせやコメントを受けやすいテーマを基に案内し、安心して使ってもらえるよう工夫します。メール対応はもちろんのこと、50代以上の購入者が多い企業ではお客さま相談室のフリーダイヤルを設けるなど、気軽に問い合わせができる仕組みをつくるのもおすすめです。お店とお客様の心の距離が近いと買いやすいのは、リアル店舗でもECでも同じです。
(3)気軽に購入できる導線をつくる。
「また買ってみようかな」と感じているお客さまの背中を押す、季節感を感じる期間限定特典(オファー)をメールやDMで案内すると、気軽に再購入しやすくなります。
ECでは、サイトのページ間を移動しやすくして、離脱の多いページの構成を見直すなど、お客様が買いやすいサイトづくりも大切です。顧客の利用動向や好みを基にしたおすすめ情報を出すのも1つの方法です。
化粧品通販では、リピート率の高い店舗は「アフターフォローがしっかりしていて、いつも気持ちよく買い物できる」「ぴったりなタイミングでほしい商品を勧められる」「お得感」とサービスが優れていたり、「この化粧品は実感があって、ここでしか買えない」という商品力が強みになっています。信頼して買ってもらう「ファンづくり」が欠かせません。