通販コラム

広告での集客、費用対効果を調べる方法を知りたい

投稿日:2019.03.30 更新日:2022.07.06 マーケティング

広告で集客しているネットショップ(EC)や通販で、広告の費用対効果を調べる方法を解説します。

広告の費用対効果を調べる方法

たとえば、費用20万円のA広告を出したときは40件の注文がありし、18万円のB広告を出したときは30件の注文があったとします。一見するとB広告の方が費用は安いですが、B広告に投資し続けるのが効果的なのでしょうか?調べてみましょう。

通販では、1件の注文を取るのにかかったコストを「新規顧客の獲得単価(CPO)」と呼びます。新規顧客の獲得単価は、注文件数で広告費用を割ります。

新規顧客の獲得単価(CPO)=広告費用÷注文件数

A広告とB広告の新規顧客の獲得単価をそれぞれ計算してみると、

A広告のCPO=200,000円÷40件=1件あたり5,000円
B広告のCPO=180,000円÷30件=1件あたり6,000円

となり、注文1件あたりにかかった広告費用は、A広告の方がB広告よりも安くなります。広告の費用対効果はA広告の方がB広告よりも高いです。

広告の費用対効果を調べるときは、注文1件あたりにどれだけの広告費用がかかっているかを計算します。この方法を使えば、ウェブ広告だけでなく、ダイレクトメール(DM)やテレビ、ラジオ、雑誌、チラシなどの広告の費用対効果を知ることもできます。そのためには、お客さまがどの広告を見て商品を買ったのかを紐づけする仕組みが不可欠です。

Web広告であれば、Google Analyticsでコンバージョンの目標に商品の購入を設定することで、広告の費用に対して何件の購入があったかを知ることができます。詳しく分析したい場合は、「アドエビス」などのオンライン分析ツールを使います。テレビやラジオなどでは、購入時にどのメディアの広告を見たかをお客さまに尋ね、集計します。

 

広告の損益分岐点をチェック

広告の費用対効果を見るときには、広告を出したときの赤字と黒字の境目、「損益分岐点」の注文数やコンバージョン率を確認します。

Web広告の損益分岐点

販売価格5,000円で原価3,000円の商品のWeb広告を、クリック単価100円で掲載します。
注文1件あたりのクリック数が何件以内、コンバージョン率は何%以上であれば、利益が出るのでしょうか。

商品の粗利益を計算すると、
販売価格5,000円-原価3,000円=粗利益2,000円

1件あたりの粗利2,000円÷クリック単価100円=20件

1÷20件×100=5%

注文1件あたりのクリック数は20件以内、コンバージョン率が5%以上であれば黒字です。

 

テレビ・新聞・ラジオ・雑誌広告の損益分岐点

販売価格4,000円で原価2,000円の商品の広告を、広告単価10万円で掲載します。
広告を出して、何件以上の注文があれば、利益が出るのでしょうか。

商品の粗利益を計算すると、
販売価格4,000円-原価2,000円=粗利益2,000円

広告費用100,000円÷1件あたりの粗利2,000円=50件

広告を出して、50件以上の注文があれば黒字です。

 

リピーターの入り口になっているか?

その広告を見て購入したお客さまがどのくらいリピーターになったかを調べることも、広告の費用対効果を知るための大切な指標です。テレビなどのマスメディアは視聴者が多いため、広告を出すと数多くの注文数がありますが、注文が1回限りになる人も多いです。一方、専門誌や専門メディアなどの媒体の広告は、マスメディアに比べて読者数は少ないですが、もともと商品に関心がある人が多いため、リピーターになりやすい傾向があります。広告を見て初回購入したお客さまが、どのくらいの割合で2回目以降、購入しているかを必ず追跡します。

 

数値化できない広告効果とは?

広告は商品の購入につながるほか、数値化して把握できない大切な効果があります。それは、商品の認知度がアップすることです。新しい商品が買い物の選択肢に入るには、「知っている」「聞いたことがある」ことが不可欠です。人は、普段の生活で見たり聞いたりしたことがなければ、その商品がこの世にあることを知りません。まず商品を知ってもらうことが、買い物の選択肢に加わるための「入口」です。さらに、知名度があって良く知られていると、人は安心感を感じます。名前を聞いたことがあると、有名だから購入してもいいという心理につながります。

認知度アップのために多くの広告を出すと費用が多額になり、その効果もはっきりと数値化できるわけではありません。しかし、商品を知ってもらうことが安心感につながるため、認知度を高めるための広告投資もやはり重要です。

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