通販事業計画書を作る方法
通販事業計画は、新規顧客向けの広告投資を決めるとおおよその売上の見込みを立てることができます。
顧客の動きが分かると、売上計画を立てることができるためです。新規顧客向けの広告投資額は、既存顧客の売上と粗利率から計算します。通販事業計画書の作り方を今年度の売上5億円規模の会社を例に説明します。
今年度 | 次年度 | |
既存顧客 | ⇒ | 既存顧客 |
新規顧客 | ⇒ | 前年新規顧客 |
新規顧客 |
広告投資額は既存顧客の粗利益で決める
(1)既存顧客による粗利益
まず、既存顧客による粗利益を計算します。
今年度の既存顧客の人数が3万人、客単価が15,000円の場合、既存顧客の売上は、
既存顧客の人数 30,000人×客単価 15,000円=既存顧客の売上 450,000,000円
となり、既存顧客の売上は4億5,000万円です。
既存顧客の粗利益は、粗利率50%の場合、
既存顧客の売上 450,000,000円×粗利率 50%÷100=既存顧客の粗利益 225,000,000円
となり、既存顧客の粗利益は、2億2,500万円です。
既存顧客の粗利益から、新規顧客の購入時の負担を配分し、新規顧客向けの広告費用を決定します。新規顧客からも8,000万円の売上がありましたが、広告費用の算定からは外します。
(2)新規顧客の購入時の負担額
新規顧客が初回購入したときの1人あたりの負担額を計算します。
新規顧客1件あたりの広告費用(CPO)が10,000円、新規顧客の単価が5,000円、粗利率が50%とします。
CPO 10,000円-客単価 5,000円×粗利率 50%×100=新規顧客1人あたりの負担額 7,500円
となり、新規顧客が初回購入したときの負担額は、1人あたり7,500円です。
次年度の売上計画を立てる
(1)次年度の既存顧客の売上
次年度の既存顧客の売上を計算します。
今年度の既存顧客の人数は3万人、次年度への移行率が90%のとき、
今年度の既存顧客の人数30,000人×移行率 90%÷100=次年度の既存顧客の人数 27,000人
となり、次年度の既存顧客の人数は27,000人です。
次年度の客単価も今年度と同じ15,000円とすると、
次年度の既存顧客の人数 27,000人×客単価 15,000円=次年度の既存顧客の売上 405,000,000円
となり、次年度の既存顧客の売上 4億500万円です。
(2)次年度の前年新規顧客の売上
前年度の新規顧客は、次年度にどのくらいの売上になるかを計算します。
今年度の新規顧客の売上は8,000万円、客単価が5,000円のため、新規顧客の人数は16,000人です。
次年度への移行率が50%とすると、
今年度の新規顧客の人数 16,000人×移行率 50%÷100=次年度の前年新規顧客の人数 8,000人
となり、次年度の前年新規顧客の人数は8,000人です。
2年目になると客単価が15,000円に上がるため、
次年度の前年新規顧客の売上は、
前年新規顧客の人数 8,000人×客単価 15,000円=次年度の前年新規顧客の売上 120,000,000円
となり、次年度の前年新規顧客の売上 1億2,000万円です。
(3)次年度の新規顧客の売上
次年度の新規顧客の売上を計算します。
広告費用を1億2,000万円とすると、
新規顧客向けの広告費用 120,000,000円÷新規顧客1人あたりの投資額 7,500円=新規顧客の人数 16,000人
新規顧客の売上は、客単価と人数から計算できるため、
新規顧客の初年度平均顧客単価 5,000円×新規顧客の人数 16,000人=新規顧客の売上 8,000,000円
となり、次年度の当年新規顧客の売上は8,000万円です。
(4)次年度の売上
次年度の売上は、既存顧客、前年新規顧客、当年新規顧客の売上の合計で計算できます。
既存顧客の売上 405,000,000円+前年新規顧客の売上 120,000,000円+当年新規顧客の売上 8,000,000円=6億500万円
となり、次年度の売上は6億500万円です。
いかがでしたか?通販事業計画書では、新規顧客向けの広告投資額を決め、顧客の動向が分かると次年度の売上計画を立てることができます。