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化粧品開発の流れを知りたい。魅力ある製品を企画・製造するには

投稿日:2021.09.18 更新日:2022.07.08 化粧品通販

化粧品開発の流れを知りたい。魅力ある製品を企画・製造するには

化粧品の開発は、通販や店舗などの販売先のニーズに合う魅力的な商品を企画し、コストを抑えながら手持ち在庫を考慮した納品スケジュールを組み、安心して使える品質の安定した製品を顧客の手元に届けることが大切です。化粧品開発の大まかな流れは下記の3つです。

化粧品開発の流れ

1. 販売先のニーズが高い商品を企画。
2. コストを抑えて納品スケジュールを組む。
3. 安心して使える品質の安定した製品を届ける。

 

1. 販売先のニーズが高い商品を企画

オリジナルの化粧品をつくる場合には、まず商品の企画と販売先を考えます。化粧品の企画の流れは下記の通りです。

(1)化粧品の種類

どの種類の化粧品をつくるのかを決めます。
例:化粧水、美容液、クリーム、洗顔料、シャンプー、リップクリームなど

(2)ターゲット層

利用者の年齢、生活スタイル、好み、商品を使うタイミングなどを想定し、化粧品を企画します。既存商品の販売網に向けて発売する場合は、どのような化粧品の需要がありそうか?好まれそうか?を調査します。

(3)販売方法

化粧品の販売方法を想定します。
例:ネット通販、専門店、ドラッグストア、百貨店、美容サロンでの販売など

販売先によって、パッケージの作り方は大きく変わります。店舗販売の場合は、広告効果も兼ねた目に留まりやすいパッケージが必須です。一方、通販の場合は、同梱リーフレットなどで商品の説明をするため、包装容器は比較的シンプルなことが多いです。

化粧品のブランディングでは、高級感を出すのか、お手頃価格で手に取りやすい雰囲気を出すのか、商品の販売路線を決めます。販売先の目途が立っている場合は、どのような商品に需要があるのかを前もって調査します。

(4)価格、容量

ターゲット層や販売方法にもよりますが、どのくらいの価格で販売したいのかを決めます。化粧品の容量には、お試しサイズ、お手頃サイズ、レギュラーサイズ、お徳用サイズなど幅広くありますが、新商品を展開する場合は、まずレギュラーサイズで発売し、販売動向や利用者の需要を見ながら、他のサイズを展開するのがおすすめです。

(5)配合成分、使い心地

商品の訴求を基に、どのような成分を配合した、どのような使い心地の化粧品をつくりたいのかを、企画します。たとえば、保湿のためにヒアルロン酸を入れたいなど、配合する成分によって、コストや使い心地が変わることがあるため、必ず試作品をつくり、使い心地やコストを確認します。

オーガニック化粧品やナチュラル派の化粧品の場合は、試作の段階で、規格に合う原料を手配できるか、思ったような使い心地を実現できるか、コストは合うかなどを確認することが必要です。

(6)容器選定

化粧品の訴求イメージ、使い勝手の良さ、コストなどを踏まえて化粧品の容器や箱などの包装を決めます。

化粧品の容器・包装には、名称や全成分など印刷する内容が医薬品医療機器等法(薬機法)などで決められているため、化粧品の製造に先立って、容器・包装への印刷内容を決定し、これらの資材の納品や印刷の手配を行います。

【容器包装の例】
・化粧品の本体容器(プラスチックボトル、スプレー容器、ガラスビンなど)
・化粧品の箱(容器を入れる箱)
・フィルム包装(化粧品容器を包むシュリンクなど)
・封緘シール(箱や容器の封じ目に貼って、未開封であることを示すシール)
・梱包箱(販売先や顧客に送る時に商品を入れるダンボール箱)

2. コストを抑えて納品スケジュールを組む

(1)試作と見積りを依頼

想定している化粧品がどのくらいのコストで製造できるのか、自社工場または製造委託(OEM)先と打ち合わせを行い、試作と見積りを依頼します。通常、想定している企画を基に試作品を2~3つほどつくり、社内やモニターを含めた使用感の調査を行い、どの試作品の処方で製造するのかを決めます。

(2)製造ロット

化粧品は100個などの小ロットからの製造も可能ですが、ロット数が少ないと原価が高くなりがちであるため、一般的には、1ロット1,000個~、3,000個~が経済的になりやすいです。化粧品販売企業は製品の在庫を抱えることが経営の要でもあるため、新商品の場合は、経済的なコストのなかで、いかに手持ちの在庫を少なくすることができるかも課題になります。

3. 安心して使える品質の安定した製品を届ける

化粧品の処方と価格が決まったら、OEM先の場合は契約と発注を行います。化粧品は製造に先立ち、化粧品製造販売業となる企業が品目ごとの届け出(一部、承認申請品もあり)を都道府県に提出します。化粧品製造販売業は許可を持っている場合は自社、許可を持っていない場合は通常、OEM先となります。

化粧品工場では、原料成分の混合などにより中身を製造し、容器に充填して箱やフィルムなどで包装します。販売後の顧客対応などのためにも、初回製造時には工場の立ち合いを行うことがおすすめです。製造した化粧品は品質試験が行われるため、試験結果から品質に問題がないことを確認します。

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