近年の企業の経営では、業務効率化がキーワードになっています。そのため、利益を上げるためのコストダウンや、トヨタのように徹底的に業務を効率化することに注目が集まりがちです。しかし少し視点を変えると、成長という言葉が意味するのは、現状を維持することではなく、事業の価値を高めることです。今はまだ目に見えていない「サービス」や「商品」を、試行錯誤して作り出すクリエイティブな取り組みが、未来の社会をつくります。
クリエイティブとは、前例のないことに挑戦することです。前例のないことを始めると、多くの失敗を重ねたとしても過去とは違う地点に行くことができます。世の中は常に動いています。ずっと同じ商品を販売していて人気があるお店では、商品が変わっていないように見えても、いつも創意工夫をしています。目に見えないサービスを工夫し、商品の小さな改良をすることで、お客さまの心を惹きつけているのです。
事業を継続する上では、効率化を進めつつも、創意工夫が求められます。企業に関わる「人」が日々感じることから工夫し、さまざまなものを生み出すことで、事業が大きく広がります。仕事の成果はもちろん本人の能力もありますが、本人の気持ちや体調が大きく影響するため、人が元気に仕事をできる環境を整えることがまず大切です。元気であれば、「こうした方がもっと良くなるのではないか」と気づく心の余裕が生まれます。「+α」まで意識がいくかどうかが、大きなポイントです。+αの意識が生まれる空気があると、サービスや商品も日々向上して雰囲気も良くなります。
創意工夫し、今までになかったものを生み出すためには、気持ちの余裕を持ち、楽しく暮らすことも大切です。経営者が創意工夫することはもちろん、社員が仕事の上で工夫ができて、成功も失敗も次につなげられる余裕のある雰囲気であること、これが企業の創意工夫を生み出し、事業が大きく広がるきっかけになると感じます。